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時代と塩とベトナムと

時代は変わる、どこででも

カンホアの塩のスタッフの通勤は主に自転車
それも徐々にバイクに変わってます
PHOTO by Takaya FUKUI

現在、ベトナムで、塩の需要が急速に高まっている。と言っても、ひと頃の日本のような「塩ブーム」がベトナムで起きているのではない。

ベトナムでも工業化が進んでおり、工業用の塩の需要が高まっているのだ。これは、日本もたどった道。日本の場合は、国内で大量かつ安価に塩を作れないため、大量の安価な天日塩がどんどん輸入されることとなり、日本の工業化を支えてきた。そして今も支えている。現在、日本の塩の需要は、食用より食用以外の方が圧倒的に多い。

【参考】食べる塩と食べない塩

国の政策としては、1959年に「塩田整備臨時措置法」(俗に「塩田廃止法」)という法律が施行され、それと同時に、塩田も姿を消していった。これで明らかに日本の塩(日本で流通する塩の意)の味は変わった。当時の日本と今のベトナム、似ていると思う。

最近は機械化が進む
ベトナム国内用の天日塩田

カンホアの塩の専用塩田は、ベトナム国内用の天日塩田に囲まれている。そしてそのベトナム国内用の天日塩田では、食用の他、増え続ける工業用塩の生産のため、機械化が進んでいる。もちろんそれは、NaCl高純度の塩を効率よく作るためのものだ。

そんな中、手作業ばかりのカンホアの塩の専用天日塩田は、時代に取り残されているようにも見える。時代の流れとして、工業用の塩も必要だ。でも、過去の日本のように、手間がかかるがおいしい塩作りを止めてしまうと、再び始めることが困難なのも、もうひとつの現実だと思う。

たとえ規模は小さくても、それが残っていくことが、ベトナムにとっても日本にとっても、また広く地球の食文化としても大切なのではないかと考えている。