home > カンホアの塩とは? TOP > 「カンホアの塩」の天日製法 > 1:海水から結晶前まで
海水はみんな同じでも、塩はみんな違います。それは、海水から塩になるまでのプロセスがみんな違うから。つまり、「塩の違いは製法にあり」。カンホアの塩の成分・味は、このようにして作られていますという説明です。
まずは、海水を塩田に引き入れるところからスタート。「いろいろな塩の違いとは?」の章にある「塩作りの原理」の実践になります。「塩作りの原理」にある図を見ながら、ご覧頂くと、各工程の意味が分かりやすくなると思います。
塩田側の水門、水門の向こうが海
海に突き出た半島が作る湾の奥に水門(採水口)があり、そこから天日塩田が広がっています。(塩田地帯の地図を参照)
右の写真の水門から海水が引き入れられ、最初の一番大きな塩田に入れられます。この水門(採水口)と、最初の一番大きな塩田は、この周辺で作られているベトナム国内向けの一般的な塩と共通です。この最初の塩田で、元々濃度3.4%程の海水は、濃度5%程まで濃縮されます。
この小さな水門の開け閉めで、より低い次の
塩田へと海水が移されます
(上写真では、手前の方が少し低い)
この段階からカンホアの塩の専用の天日塩田になります。最初の一番大きな塩田で濃度約5%になった海水は、その後、お天気を見極め(濃くなるスピードを見て)、段階的に12〜13の塩田を経由させながら、さらに濃縮していきます。
そして最後から2番目の塩田で、濃度15%が保たれるようにします。天気がいいと徐々に濃縮されますが、そのときは、ひとつ前の塩田から、より薄いのを足すといった具合に。こうして塩を結晶させる最後の塩田に移されるのを待ちます。これで濃度15%から析出するカルシウム分が次の結晶池でカンホアの塩に適度に含まれることになります。
ちなみに、カンホアの塩の専用塩田ではない一般の天日製法では、最後から2番目の塩田で、カルシウム分が出切った濃度25%になるようにして、カルシウム分が極力含まれないようにします。
カンホアの塩専用の結晶池には
全てタイルが貼られています
濃度15%になった海水はフィルターで
漉して専用の結晶池へ入れます
濃度15%になった海水を、収穫する最後の塩田に移します。これは塩を結晶させるための塩田なので、「結晶池」とも呼ばれます。ここで濃度15%から析出するカルシウム分を始めとし、順々に塩になっていく海水の様々な成分を塩に取り込んでいきます。この結晶池は、日本向けのカンホアの塩専用のもので、特別にタイル貼りになっています。一般の塩田の床は、田んぼのような粘土質の泥ですが、タイルを貼ることによって、泥に入り込む成分も塩に取り込め、より海水の全体的な成分が出来上がる塩に含まれます。また同時に、床の泥が塩に混じらないことにもなります。また、にこの結晶池の周りだけ、モルタルで固めて、さらに夾雑物が入りにくくなっています。
海水の採水口(水門)から、12〜13の塩田を経た末の最後の結晶池は、通常は一番低い位置になりますが、このカンホアの塩の結晶池は、このあたりでは一番高いところにあります。低いとその分、風で飛んでくる夾雑物が入りやすいため、最後から2番目の塩田を一番低くして、そこから一番高い専用の結晶池に、ポンプアップしています。
ポンプアップして結晶池に、濃度15%になった海水を入れる際、(2017年から)マクロプラスチックを意識して、目開き95マイクロメートルのフィルターをかけています。(こうして作られたカンホアの塩は、2019年1月より弊社から出荷されています)
FAQ:「カンホアの塩」は、マイクロプラスチック対策として何か行っていますか?
カンホアの塩ではない、ベトナムの一般の天日製法では、「塩を洗う」ことで、夾雑物を取り除きますが、同時に溶けやすいニガリ成分も落ちてしまいます。カンホアの塩は、このように専用の結晶池に、いろいろな工夫を施すことによって、ここで調えられた成分・味をそのままお届けしています。