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【参考】天日製法とは?

天日製法の実際

天日製法と言っても、海水を塩田に引き入れて、そのまま単純に海水を干しているのではありません。海水を大きな塩田ひとつで濃縮すると、塩が「薄く広く」出来ますが、相当な時間がかかるし、収穫する手間も大変です。

では、どうするかと言うと、海水を濃縮しながら、「次の塩田から次の塩田」と、段階的に徐々に面積を絞った塩田に移していき、最後に一番小さな塩田(結晶池)で結晶した塩を収穫します。こうして、塩を「厚く狭く」出来るようにします。最後の塩田は、塩を結晶させるためのものなので、結晶池とも呼ばれます。釜焚き製法では、この結晶池が釜にあたるので、(温度の違いはありますが)応用して考えることも出来ます。

基本的に、この結晶池で採りたい塩の成分を析出させます。

右下の図は、「カンホアの塩専用の天日塩田」と「ベトナムの一般の天日塩田」の概略図です。(実際は、もっと細かな段階があります)両者とも塩田を移していく点は同じですが、そのタイミングが違うことで、結晶池で出来上がる塩の成分・味が違ってきます。また、収穫後の工程(洗浄など)によっても、塩の成分・味は違ってきます。「塩作りの原理」や「【参考】釜焚結晶と天日結晶」の実践編とも言えますし、「カンホアの塩の天日製法」では写真とともに見ることが出来ます。

【海水】→【1】→【2】の塩田

まず、海水(塩分濃度3.4%)は、最初の大きな【1】の塩田に入れられます。天日に照らされ、やがて濃度は10%になります。10%を超えそうになると、新たに海水(3.4%)を引き入れることで、【1】の塩田を常に10%に保ちます。次に、【1】で10%になった海水を、【1】よりも狭い【2】の塩田に移します。今度はここで、15%にします。15%を超えそうになると、新たに【1】の10%の海水を引き入れることで、【2】の塩田を常に15%に保ちます。

【1】は図のとおり共通の塩田です。そして15%までは、海水からほとんど何も析出しないため、【2】の塩田まではどちらの塩田とも同じ仕組みです。

【3】→【4】の塩田

【2】の塩田で濃度15%になった海水を【3】の塩田に移しますが、この【3】から違いがあります。

まず一般の天日塩田では、【3】の塩田でいったん25%までにし、25%まで析出し続けるカルシウム分を【3】で析出させ(落とし)、カルシウム分がほぼ抜けた25%の海水を【4】の結晶池に入れます。これで出来上がる塩にカルシウム分が含まれなくなります。そして【4】の結晶池でナトリウム分・カリウム分・マグネシウム分も析出させ、濃度30%過ぎぐらいで収穫します。

一方、カンホアの塩専用天日塩田では、【3】の塩田を結晶池とすることで、15〜25%ぐらいまでに析出するカルシウム分も塩に含ませながら、ナトリウム分・カリウム分・マグネシウム分を析出させ、濃度31%で収穫します。

両方とも、【3】には15%になった海水が入りますが、一般の天日塩田では【3】はカルシウム分を落とすためのもの。そして、カンホアの塩専用塩田では逆にカルシウム分も取り込むためのものと言えます。

収穫後の工程

収穫がその食塩のゴールではありません。一般の天日塩田で収穫された塩の説明から。その天日塩はその後、「洗浄(塩を洗う)」ことで溶けやすいカリウム分・マグネシウム分が落とされます。そしてその後の「粉砕」の方法は、一度溶かして平釜で再結晶させるものなので(関連 =>「天日塩の『石臼挽き』の意味」)、これでもカリウム分・マグネシウム分が落ちます。さらにその後ボイラーで乾燥された塩は、ナトリウム分の純度が高い塩として完成します。

(注)上記の工程は、「洗浄」の後、「溶解」させて「平釜」(再結晶)となりますが、収穫後は天日塩でも「溶解」「平釜」(再結晶)を経た塩は、食用塩公正取引協議会の規約では「天日塩」になりません。

一方、カンホアの塩は、収穫後、【3】の結晶池で作った海水の全体的な成分・味をそのまま活かすため、洗浄せず(夾雑物は手作業で取り除き)石臼で挽くことで粉砕し、さらに(ボイラーではなく)天日干しされ、各成分が含まれた塩が完成します。

このように、2つの製法とも、「原料は海水だけで、天日製法が行われている」塩ですが、収穫後の工程も含め詳しくどんな天日製法かによって、違う成分・味の塩が出来上がります。

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