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「再製加工塩」は、海水から作られた「天日塩」と「ニガリ」を原料に作られた食塩です。原料の「天日塩」が「岩塩」や「湖塩」と違うのは、(自然現象ではなく)人間が作ったという点。そのため「再製」という言葉が使われます。その「天日塩」を水に溶かした後、ニガリ(液体)を混合し、「釜焚結晶」させて出来上がります。通常、食塩の原材料として「ニガリ」が表示される場合は、『粗製海水塩化マグネシウム』と表示されます。
また原料の「天日塩」を溶かす際、水ではなく海水に溶かす場合もあります。その場合は「ニガリ」は混合されないこともあります。その違いは、その「再製加工塩」の原材料を見れば分かります。
例えば、上記のようになっていれば、「ニガリ」は混合されず、「天日塩」を「海水」に溶かして再結晶させたと言えます。マグネシウム分はもちろん「海水」にも含まれていますが、「ニガリ」の方が含有率は断然高いため、通常「海水」より「ニガリ」を混ぜた方が出来上がる食塩に含まれるマグネシウム分は多くなります。
「海水について」にあるとおり、海水の塩分濃度は約3.4%。気候的に「天日結晶」が難しい日本で、海水を濃縮して塩を結晶させるには、(燃料など)それ相当のコストがかかります。その点、この「再製加工塩」は、比較的安価な「天日塩」を溶かして『濃い塩水』を作ることが出来るので、経済的です。また、原料の「天日塩」のナトリウム分(NaCl)は97〜98%ですが、「ニガリ」や海水を混合することによって、味として塩辛いだけでない食塩になります。
右の図は、原料が「天日塩」と「粗製海水塩化マグネシウム(ニガリ)」の「再製加工塩」の概念図です。原料の「天日塩」も「ニガリ」も、海水から作られた原料ですが、「天日塩」はナトリウム分(NaCl)97〜98%、そして「ニガリ」はマグネシウム分が主成分で、どちらも海水の部分的な成分です。その「天日塩」と「ニガリ」を混合した後、「釜焚結晶」されているので、「再製加工塩」の成分の概念図は、右の図のように、ナトリウム分と「ニガリ」には含まれていない海水の成分は含まれないことになります。海水の成分で一番多いのはナトリウム分(NaCl)で、ニガリ成分は二番目に多いので、この2つを混ぜることで、より海水に近い成分になります。
また、「天日塩」と「海水」が原料の場合は、海水に「天日塩」を溶かしますが、そうして出来上がった「濃い塩水」は、ナトリウム分の割合が極端に多くなるので、海水から濃縮した「濃い塩水」の成分とは、基本的に異なります。
その「天日塩」は、海水だけが原料の天日塩です。塩事業センターの「原塩」などがそれにあたります。産地はオーストラリアやメキシコ。生産地で「洗浄(洗う)」が行われるのが一般的で、その成分は、NaClが97〜98%、残り2〜3%のほとんどは水分です。主に食用以外(ソーダ工業用など)に多く使われています。日本では最も多く消費されている塩です。例えば、カンホアの塩も『海水だけが原料の天日塩』ですが、塩としての成分・味はずいぶん異なります。詳しくは、「食べる塩と食べない塩」のページが参考になります。