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岩塩のグループ

自然現象で出来た岩塩とは?

「岩塩」は、太古の頃、陸地の移動などで海水が閉じこめられ、それが長い時間を経て干上がり、塩になったものです。多くの場合、それは地層化しています。

原料としての「岩塩」は、自然現象で出来た塩。つまり人間の手を介さないで海水が濃縮されたものです。そのため、「塩作りの原理」が比較的シンプルにその出来方に反映しています。また、長い間の自然現象は様々です。火山の影響で硫黄が含まれるなど、特有の特徴を持った岩塩もあります。

この「岩塩」そして「湖塩」も、日本にはないので珍しい塩ですが、世界的には海水塩(海水から作られた塩)よりも、「岩塩」や「湖塩」の生産量の方が多いのが現実です。詳しくは、下記のページが参考になります。

世界・日本・ベトナムの塩事情

粉砕岩塩

  • 原料:岩塩
  • 工程:粉砕

上図一番右の「粉砕岩塩」は、地層になった岩塩層の塩を採掘し、それを人間が「粉砕」しただけの食塩です。では、自然現象として海水が岩塩になるとどうなるでしょう? 「塩作りの原理」で、以下のようなことを書きました。

『海水の各成分は、その種類によって、固まる(塩になる)タイミングが各々違う』

この原理に従って海水中の成分は、固まりになりやすい順に固まるため、右の図のように、各成分ごとの層になります。一番最初に固まるカルシウム分が一番下の層になり、その次にナトリウム分、そして、最後に固まるカリウム分マグネシウム分といった具合です。自然現象ですから、実際には図のようにきれいにはなりませんし、最後に固まるカリウム分マグネシウム分は溶けやすくもあるので、なかなか図のように地層としては残りにくいでしょう。ただ言えることは、海水の成分中およそ4分の3はナトリウム分(NaCl)ですから、ナトリウム分の層が最も大きくなります。そして、岩塩はその層を採掘したもの。多くの岩塩のナトリウム分の純度が比較的高いのはそのためです。また岩塩は層になるまでにかなりの時間を経るため、その過程でいろんなものが混じります。そのため、この「粉砕岩塩」のように、採掘され粉砕しただけのものは比較的珍しいです。

そして「粉砕岩塩」のその他の特徴は、海水以外の成分が含まれたものがあるということ。塩の層になるまでの長い年月の間に、例えば火山の影響を受け硫黄の成分が含まれたり、その土地の鉄分が多く含まれたりなど、海水塩にはない特有の成分・味を持ったものもあります。何が含まれるかによりますが、ピンク色・エンジ色・黒色などの岩塩は主にそのためです。

天日岩塩

  • 原料:岩塩
  • 工程:溶解・天日

「天日岩塩」と「釜焚岩塩」の違いは、結晶の工程ですが、どちらも共通しているのは、原料の岩塩が一度「溶解」されていること。「溶解」することで、夾雑物を濾過しやすく、採掘時は大きな固まりだった塩を細かな粒に再結晶させることが出来ます。また「溶解」で原料の「岩塩」の成分は基本的に変わります。そして(他の原材料を混ぜるなど)成分を調整したい場合も、「溶解」でそれが可能となります。また、岩塩が地下水によって溶解されている「地下かん水」が「原料」で、「天日」だけの濃縮・結晶の場合は、

  • 原料:岩塩(地下かん水)
  • 工程:天日

という、「天日岩塩」になります。

釜焚岩塩

  • 原料:岩塩
  • 工程:溶解・平釜(または立釜)

「粉砕岩塩」は比較的珍しいと書きました。岩塩で一番多いのはこの「釜焚岩塩」でしょう。「釜焚岩塩」は、「天日岩塩」の釜焚き版です。「天日岩塩」同様、「溶解」することで、夾雑物の濾過や成分調整、そして「釜焚結晶」で細かな粒にすることが出来ます。また、「地下かん水」が「原料」で、「平釜(または立釜)」の結晶の場合は、

  • 原料:岩塩(地下かん水)
  • 工程:平釜(または立釜)

という、「釜焚岩塩」になります。

湖塩のグループ